ステップ6 筆記試験と内定

面接と前後して行われるのが「筆記試験」だ。筆記試験には、一般常識や学力を問うものや、文章力を問う作文や小論文などがある。これらは事前の準備が可能なので、日ごろから十分に対策を心がけておきたい。筆記試験には、ほかには、適性を見る「適性検査」などもある。筆記試験と面接が終わり、無事合格となれば、いよいよ「内定」だ。

筆記試験の傾向を把握。

筆記試験を、面接とどう組み合わせるかは、企業により異なる。一般的には、採用試験の比較的初期の段階で、志望者を絞り込むのに使われることが多い。学力を問う場合は、国語・算数・理科・社会・英語などの、いずれも中学学習範囲までの内容がほとんど、稀に高校1年生程度の問題が出るくらいだ。試験問題は、個々の企業が独自に用意するもののほかに、業者が用意し販売しているものもある。この代表が、「SPI」で、適性検査と国語、算数の能力検査を合わせたもの、これはマークシート方式で行われる。最近は、あらたに「GAB」「CAB」と呼ばれる試験を導入する企業も増えている。

作文や小論文では、与えられたテーマについて、原稿用紙1枚程度の文章を書かせられる。一定の時間内に問題点を整理し、考えをまとめる能力は、実際のビジネスの現場でも不可欠な能力だ。また、文章力を通して論理的な思考力を見るのはもちろん、日ごろからの問題意識なども評価される。

業界や企業によって、試験の内容やレベル、重点は異なる。金融系なら、時事問題で最新の経済ニュースについて突っ込まれる可能性は高い。技術系なら専門分野の知識だ。マスコミなら作文・小論文は必須。

日ごろから万全の対策を。

般的な能力検査であれば、市販の問題集にいくつか目を通しておけば十分。10月から年末にかけて最新版が発売されるので、チェックしておこう。

時事問題対策としては、やはり日ごろから新聞によく目を通しておくのが最善。主要な新聞はインターネットにニュースサイトを開いているにで、これを活用しよう。ただし、前述のとおり、業界や企業により、必要とされる知識レベルは異なる。金融、商社、マスコミなどへの対策なら、十分な問題意識を持って、記事を読み込むようにしたい。

適性検査は、あくまで人物像をとらえる性格検査なので、これといった対策はむずかしい。設問を深読みして、意図的に結果を左右しようとすると、回答に矛盾が生じ、評価自体があいまいになったり、場合によっては特殊な性格との評価にもなりかねない。自分を前向きにとらえつつ、基本的には正直に答えるのがベストだろう。

作文や小論文は、とにかく日ごろから文章を書く練習をしておくこと。パソコンで書くのが当たり前になっていると、意外と漢字が出てこないことも多い。あやふやな漢字や単語は、面倒がらずに辞書を引いて確認しておくこと。なお、文章は論旨がとおっていることと、わかりやすいことが最重要。できれば、周囲の人に読んでもらい、客観的な意見を聞かせてもらうおう。

インターネットを利用した「ウェブテスト」を導入する企業も増えている。学生は、自宅のパソコンから指定のウェブサイトにアクセスして受験できる。内容は、SPI、英語など、通常の筆記試験と同様だ。

内定を受諾して就活終了

面接、筆記試験を突破して、「あなたを採用しましょう」と企業から言われたら、それが「内定」だ。電話やメールで連絡が来ることもあれば、会社に呼ばれて、直接に告げられることもある。これを受けて、「内定承諾書」(内定誓約書)などの書類を提出したら、晴れて正式内定となる。

学生にとって悩ましいのは、受験している複数の企業が、あい前後して、この最終段階に突入することだ。第一志望に内定した後で、第二志望の企業からも内定をもらった場合などは、すみやかに、第二志望の企業に対し、内定辞退を伝えよう。企業はある程度の辞退者を想定して採用活動を進めている。とはいえ、連絡が遅ければ、その欠員を埋めるのは大変だ。就活に誠意を持って対応してくれた企業には、誠意を持って対応すべきだろう。また、礼を欠いた実績を残すと、大学の後輩の就活に影響することもあるのだ。

特に、内定承諾書提出後の辞退は、企業にとって非常に深刻。基本的にはないようにしたいが、避けられない場合は、くれぐれも慎重に対応しよう。

内定から入社までの間には、内定式や内定者懇親会などが開かれることもある。本人の意思確認とともに、内定者同士の交流、入社までの準備などが目的だ。できる限り、参加するようにしよう。

いずれの場合も、辞退の報告は会社に足を運んでするべきだろう。もちろん、メールは論外。海外にいて、電話しか方法がない場合は、その事情も説明し、採用担当者に電話に出てもらい必ず直接報告すること。