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[業界研究] 鉄鋼・金属・鉱業

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概要

鉄鋼業界は、鉄を加工してつくった合金を自動車業界や建築業界向けなどに提供している。鉱業・非鉄金属・金属製品業界は、輸送機器やデジタル家電向けに金属素材や金属加工製品をつくり、販売している。

鉄鋼業界

自動車、家電、建築材料としての材料をつくる

鉄鋼業界は、鉄を加工してつくった素材を自動車や電化製品、建築用材料などに提供している。原料の鉄鉱石から粗鋼まで一貫生産する高炉メーカーと、鉄くずなどを溶かして粗鋼にする電炉メーカー、原板を加工する単圧メーカーの大きく3つに分けられる。


国内外で景気は回復傾向にあるが、技術開発は引き続き急務

2012年2月の世界粗鋼生産量は前年比1.9%増と2年連続で前年を上回っている(日本鉄鋼連盟調べ)。欧州市場は金融危機から持ち直し、米国経済も好転した。だが、新興国の景気は減速しており、とくに中国は、概ね上昇であるものの一部で伸び悩みを見せているのが不安材料である。国内に目を転じると、日本経済は回復基調。震災の復興需要で、建設活動が堅調であるほか乗用車販売も好調に推移したことが一因である。円高の影響も落ち着きを見せつつあるが、電力問題や原油高など、状況は楽観視できない。日本の鉄鋼会社では、原料権益の取得や、低品位の鉄鉱石からの製鉄が可能となる新技術の開発などが急がれている。

進む環境対策

鉄鋼業界は、産業界全体の二酸化炭素排出量の4割を占めている。日本の鉄鋼業界は京都議定書第一約束期間(2008−2012年)において約1,800万トン/年のCO2削減に取り組んできた。現在、開発されている主要省エネ設備は、国内でほぼ100%普及。これは他の製鉄国に抜きん出た高い普及率であり、世界最高のエネルギー効率を達成している。今後はポスト京都議定書の目標としてエネルギー効率のさらなる向上、ハイブリッドカーや電気自動車に使用される高機能鋼材の供給によりCO2削減に貢献、それらの省エネ技術を途上国へ還元して地球規模の削減に貢献する、などを挙げている。

業界関連用語

●地球温暖化対策
20世紀後半から起きている地球温暖化は、種々の要因が重なって起きているとされるが、人間の産業活動に伴って排出された温室効果ガス(CO2)が主因となって引き起こされているとする説が主流。そうした温室効果ガスに深く関わっている鉄鋼業界ではさまざまな地球温暖化対策に取り組んでいる。

●ひも付き取引
鉄鋼卸業者は、鉄鋼メーカーから大手商社やメーカーに販売される「一次卸」と一次卸先から中堅・中小ユーザーに販売される二次卸に分けられる。この一次卸が「ひも付き取引」、二次卸を「店売り」と呼ぶ習慣がある。

●コークス乾式消火設備(CDQ)
鉄鉱石から鉄をつくる過程で使われる設備。従来の設備よりも熱効率がよく、化石燃料の使用を減らせることから、環境対策に力を入れる鉄鋼会社がこの設備の拡充に力を入れている。

どんな仕事があるの?

営業
自動車や家電、建築用などに使われる鉄鋼を、顧客であるメーカーや卸会社に提案・販売する。

●資材調達/購買
各工場からのニーズをとりまとめて、国内外から原料や素材を仕入れる。

商品開発
既存商品を改善するほか、新しい機能をもつ新商品をつくることができないか計画を立てて、試作や開発を行う。

基礎研究
次世代向け製品に役立てるため、最先端技術の研究を行う。

生産管理
制作現場の全工程を理解し、品質、コスト、時間を管理する。品質管理と効率面のコントロールが重要な仕事。

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鉱業・非鉄金属・金属製品業界

急激な需要回復が見られる非鉄金属業界

伝統的に非鉄金属の精錬や製品化技術が高い日本は、これまで諸外国からの注文が毎年伸び続けている状態であった。2008年秋以降の世界同時不況によって非鉄需要が大きく落ち込んだ影響で、業界各社の経営状態は厳しいものとなっていたが、その後各国政府の助成策などによって自動車や家電などの需要分野が回復。2010年に入ってから、リーマンショック以前の水準を回復してきた。今後は需要回復のスピードが速い中国への輸出強化や海外鉱山の取得の成否が鍵となりそうだ。

今後は、リサイクルに期待

原料となる鉱石のほとんどを輸入しているため、原料を安定的に仕入れることができないというのがこの業界の難点だった。しかし、リサイクルの技術が進み、金属くずなどのリサイクル原料から銅などの金属を取り出せるようになった。この技術が進めば、国内にあるリサイクル原料から、金属材料や加工材料を手に入れることができるため、安定的に製品をつくることができると注目されている。

業界関連用語

●非鉄メジャー
非鉄金属鉱物を開発するグローバルな大手企業のこと。大規模な鉱山開発ができる資産や設備を持ちながら、競合企業の買収や吸収合併をして企業規模を拡大。世界的な鉱物開発のシェアを拡大し続けている。

●鉛フリー
2006年7月に欧州連合(EU)によって施行された「電子電気機器における特定有害物質の使用制限」についての指令「RoHS」によって、鉛の使用が制限された(適切な代替手段がない場合などには、一定の範囲で適用が免除されるケースもあり)。これにより現在、業界各社は鉛の代替材を用いた「鉛フリーはんだ」、「鉛フリー快削アルミニウム合金」などの開発・改良に努めている。

どんな仕事があるの?

営業
自動車や家電、建築用などに使われる鉄鋼を、顧客であるメーカーや卸会社に提案・販売する。

●資材調達/購買
各工場からのニーズをとりまとめて、国内外から原料や素材を仕入れる。

商品開発
既存商品を改善するほか、新しい機能をもつ新商品をつくることができないか計画を立てて、試作や開発を行う。

基礎研究
次世代向け製品に役立てるため、最先端技術の研究を行う。

生産管理
制作現場の全工程を理解し、品質、コスト、時間を管理する。品質管理と効率面のコントロールが重要な仕事。