就活大百科[キーワード1000]就活でわからないことは、すべてここでカバー! 就活ノウハウ、業界研究、職種研究、就活の疑問を解決!

就活大百科 キーワード1000 TOP > 業界研究 > 自動車・輸送用機器

[業界研究] 自動車・輸送用機器

INDEX
関連キーワード

概要

車両、船舶、航空機などをまとめて輸送用機器と呼ぶ。輸送用機器業界は日本が世界と伍して戦える産業の筆頭に挙げられ、これまで何度もの不況を乗り越えながら今も世界のトップレベルを維持し続けている。輸送用機器業界の中で代表的なのは自動車業界で、完成車メーカーの下に数え切れないほどの下請け会社や系列会社があり、大きな雇用機会を作り出している。

自動車業界

世界に冠たる自動車産業大国

自動車業界は、日本が世界に誇る巨大産業だ。国内には世界販売台数において首位をにらむメーカーを含む、複数の完成車メーカーがあり、それら完成車メーカーの下には部品・素材メーカーなどが多数、存在する。また販売会社などの流通に関連する産業も関わっている。

日本自動車工業会の調査によると、自動車産業に直接・間接に従事する就業人口は約532万人で、これは日本の全就業人数の約8.5%にあたる。自動車産業は日本経済を支える重要な基幹産業としての地位を占めていると言えよう。ハイブリッドの環境対応車や無人運行システムなど世界的に評価の高い日本の技術力を武器にシェア拡大を狙っている。


自動車産業の主要市場と産業構造が激化

2009年、中国の自動車販売台数が米国を上回り、世界一の自動車大国の座が米国から中国に移った。また中国だけでなく、ブラジル、インドなどの新興諸国でも自動車販売台数が急増している。つい数年前まで先進国に限られていた自動車産業の主要市場が、急激な速さで新興国にシフトしている。さらに近年は地球温暖化や石油価格の高騰などの問題により、各メーカーが相次いで電気自動車を発表。市場だけでなく産業構造にも大きな変化の波が押し寄せている。日本の自動車メーカーではここ数年国内販売台数は減少したものの、エコカー向けの購入補助金や税制優遇措置の実施が功を奏して2010年には国内販売台数が大幅に回復、海外販売台数も増加している。しかしながら海外では徐々に新興国メーカーにシェアを奪われつつあり、競争力強化のためさらなる海外移転の動きがある。

次世代を担う電気自動車が各メーカー成功のカギ

自動車業界にとっての重要テーマは、環境対策である。現在日本では少子高齢化が問題となっているが、地球規模では爆発的な人口増加が続いている。新興国の自動車普及率はまだまだ低いが、経済成長と歩調を合わせて販売台数は伸び続けるだろう。そんな中、ハイブリッドカーの次を担う車として注目されているのが次世代電気自動車だ。家庭用コンセントなどで充電してモーターで走る電気自動車は、ガソリンを必要としないため環境に優しく、そのうえ、燃費も現在の5分の1に抑えられるという。各社とも急ピッチで開発を進めており、既に日本でも海外・国内メーカーが次々と販売を開始している。

業界関連用語

●自動車の燃費・排ガス規制
日米欧ともに二酸化炭素の排出量を規制するなど、いまや環境規制は強化される一方だ。2010年、欧州委員会が発表した「自動車の二酸化炭素排出量規制と造反企業への罰則規定」(後に2015年度からの導入に延期)は、日本を上回る世界でもっとも厳しい内容で、業界に激震を与えた。これを機に日本のメーカーの技術革新にも拍車がかかることが予想される。これにともない欧州の自動車メーカーも電動車両の開発を加速した。今後の自動車メーカーの動きとしては電動化へのシフトが鍵になるだろう。

●バイオ燃料
植物が持つエネルギーを利用した燃料のこと。原料の植物が生長する過程で大気中の二酸化炭素を吸収するため、二酸化炭素が結果的に相殺(カーボンニュートラル)されると考えられ、環境配慮型エネルギーとして注目を集めている。過去にトウモロコや大豆などを原料とした結果、それらの価格高騰などの問題が起きたため、現在では藻やサボテン、材木の廃材や雑草などを原料とする第二世代の「セルロースエタノール」と呼ばれる燃料が主流となり研究が進められている。

●エコカー減税
環境対応車普及促進税制のことで、ハイブリッド車や電気自動車、燃費のよい小型車などの環境対応車を購入する人への優遇税制のこと。購入時にかかる自動車取得税は2012年3月末まで、新車購入時や車検時に納付する自動車税は2012年4月末までが、エコカー減税期間。エコカー減税対象車の中でも、ハイブリッド車や電気自動車、クリーンディーゼル車など新技術を投入した次世代エコカーは上記の2つが全額免除される。
尚、現在は新エコカー減税がはしっており、自動車取得税は2015年3月末まで、新車購入時や車検時に納付する自動車税は2015年4月末までが、新エコカー減税期間。

どんな仕事があるの?

営業
自動車販売店(ディーラー)への営業活動を行う。マーケティングを元に、販売店をサポートする。

●車両開発
新車両の設計や開発などを行う。部品ごとに専門特化した技術が求められる。

デザイナー
自動車のインテリアやエクステリア、色、ファブリック類などをデザインする。

●商品企画
マーケティングを元にトレンドを予測し、商品戦略や新型車の企画立案を行う。

ページTOPへ

その他輸送用機器業界

世界の造船シェアは中国・韓国・日本のアジア3カ国にほぼ集約

日本の造船重機メーカーは高度な技術力に定評があり、韓国、中国に次いで3位の世界シェアを誇る。2010年は急速な円高や鋼材価格の高騰から新規造船の受注量で中国、韓国に大きく引き離された。しかし、2011年は航海中の二酸化炭素(CO2)排出量を大幅削減する「エコシップ」を相次いで開発、巻き返しが期待されたものの、最終的には2010年と同様14.5%に留まり、来期に期待がかかる。日本の造船業は世界の多様な要望に対応できる高い技術力が強みだが、高コスト構造というデメリットもあり、今後は体質強化のための再編が進む可能性もある。また新たな海洋エネルギー資源の開発と海外生産拠点の確保も命題となっている。

日本の船舶用機械メーカー製品が過半数を占める

造船業は、車などと違って一品ごとのオーダーメイド。基本的には注文を受けてから生産を開始する。世界を航行する巨大な船は、エンジン、プロペラなどの船を進める機械、クレーンなどの荷物を運んだり下ろしたりする機械、レーダーなどの船を操縦し安全に航海するための機械など、大小200種類以上の機械でできていて、これらの機械メーカーが造船業を支えている。日本の船舶用機械メーカーの商品は技術力の高さで定評があり、世界の50%以上の船に使われている。

航空機業界でも日本の技術への注目が集まる

航空機業界は、発注会社である機体会社数社と、部品・材料メーカー・商社千数百社から構成されている。巨額な資本を必要とする機体開発の分野では、リスクを抑えるため、海外や他メーカーとの協同開発が主流で、日本の企業も分担している。日本の技術が特に高く評価されているのは、素材技術や構造設計、製造設計で、世界でもトップレベルにある。一方、中小型旅客機の開発事業には、近年、日本車メーカーの進出が相次いでいる。宇宙産業に関しては、国家プロジェクトとして研究開発を加速させている欧米、需要が拡大し続ける新興国との競争の激化が予想される。

業界関連用語

●シップリサイクル
廃船の解体は、主に労働コストの低いインドやバングラデシュなどの国で行われている。しかしそれらの国では作業時の安全の確保や環境保全が十分にされていないため、劣悪な労働環境や海洋汚染が問題になっている。これらの問題を解決するため、現在、さまざまな国際機関において検討が進められている。国際海事機関(IMO)では2003年、環境保全型シップリサイクル実現のために、船舶の建造から解撤までの各段階における必要な措置を定めた「IMOシップリサイクルガイドライン」(非強制)が採択された。

●排他的経済水域
経済的な主権が及ぶ水域のことで、国連海洋法条約に基づいて設定されている。日本は世界第6位の排他的経済水域を持つ海洋国家である。2007年7月には「海洋基本法」が施工され、現在、海洋基本計画に沿ってさまざまな制作が推進されている。

どんな仕事があるの?

●研究開発
先端技術や、他部署から挙げられる市場動向調査を研究し、製品の改良や新製品の開発を行う。

●設計
新技術を導入し、コスト、機能強化、信頼性など検討を重ね、製品の設計を行う。

●資源調達
原材料・部品を最も有利な条件で購入する。材料費は製造コストに大きく影響するため、利益に直結する仕事。

営業
製品の受注から納入までを担当。顧客からの受注を受け、顧客と工場の間に立ち、さまざまな折衝や調整を行う。