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[業界研究] 不動産

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概要

不動産・不動産管理業界は、土地を取得してそこに建物を建設して分譲するほか、賃貸物件として貸し出したり、仲介するなど、建物に住みたい人と売りたい人(または貸したい人)をつないでいる。ビル管理・メンテナンス業界は、オフィスビルの快適な環境を守っている。セキュリティ業界は、住宅やオフィスビルでの安全を守る役割を果たしている。

不動産・不動産管理業界

住みたい人と売りたい人、貸したい人をつなぐ

不動産業界のビジネスには、大きく分けて4つの分野がある。住宅を買いたい人にマンションや戸建住宅を販売する分譲ビジネス、住宅を借りたい人に貸す賃貸ビジネス、買いたい人や貸したい人に土地や住宅を紹介する仲介ビジネス、分譲マンションなどの設備を管理する管理ビジネス。分譲価格や賃料など不動産の価格は、立地や条件、時期によって、大きく変わるのが特徴だ。


さまざまな住宅取得優遇制度出そろう

「明日の安心と成長のための緊急経済対策」と「2010年度税制改正大綱」により、景気後退のなかで少しでも住宅を手に入れやすくするためにさまざまな住宅取得優遇制度が決定した。その制度とは、「住宅取得資金の贈与非課税枠の拡大」「住宅版エコポイント制度の創設」「フラット35Sの時限的な金利引き下げ」そして「住宅に関する税制優遇制度の延長」の4つ。震災後の低迷から脱却する機会となるか期待がかかる。

建て替え時期を迎える高度成長期の建物

1970年代の高度成長期に一斉に建てられた旧公団住宅などが建物の老朽化、住民の高齢化で建て替え時期を迎えている。代表的なのが東京の西部に広がる多摩ニュータウンだ。2010年3月、1971年に入居が始まった地区のエレベーター無し5階建ての分譲住宅23棟計640戸が、20年に渡る検討の末、11〜14階建7棟計1,200戸に建て替えられることが決まった。多摩ニュータウンでははじめてのマンション建て替え事業で、新たに「ブリリア多摩ニュータウン」の名称で昨年12月に着工し、今年3月から販売開始。第1期販売分300戸(1次252戸、2次48戸)が、登録申込即日完売したと伝えられている。最高倍率は10倍とのこと。大型連休初日の4月28日から第2期のモデルルームをオープンした。このことが、今後、他のニュータウンに大きな影響を与えることは必至だ。

東日本大震災後の不動産市場

アメリカのサブプライムローン問題に端を発した世界的な景気後退で、2009年の不動産市場は大きく落ち込んだ。だが、2010年に入り工事中止や延期になっていた物件の復活、新規物件の登場、住宅取得優遇制などで市場はゆるやかに回復。そんな時起こったのが昨年の東日本大震災だ。不動産研究所の発表によると、2011年に関してマンション発売戸数は、東北が3割減となったものの全国では2.2%増の8.6万戸。2年連続で前年比増加した。これは落ち込んだ地域を九州・中国地方がカバーしたことが要因となっている模様。また首都圏に関して言えば、建売住宅の発売戸数も対前年比-2.5%となっている。

業界関連用語

住宅借入金等特別控除
住宅ローンの残高の一定割合額が、所得税から減税される制度のこと。住居だけでなく敷地にも適用され、また増改築でも利用できる。取得した住宅にいつ入居したかによって条件が変わる。また、適用される住宅は2013(平成25)年12月31日までに自己の居住用に供したもので、床面積50平米以上、中古住宅は築20年以内などの条件がある。

●フラット35S
住宅金融支援機構(旧住宅金融公庫)の全期間固定金利の住宅ローン「フラット35」を利用して、省エネルギー性、耐震などの要件を満たす住宅を購入する場合に、「フラット35S」という優良住宅取得支援制度の適用を受けることができる。尚、【フラット35】Sエコに関しては、東日本大震災からの復興・住宅のCO2対策を推進するため、金利引き下げ幅を拡大している。

●J-REIT(ジェイ・リート)
J-Real Estate Investment Trustの略語で、「日本版不動産投資信託」のこと。2001年スタート。投資家から集めたお金を、投資会社が分散して複数の不動産に投資し、その運用から得られる賃料収入などの収益が投資家に還元される仕組み。当初はオフィスビル主体だったが、次第に商業施設や店舗、住宅などへと多様化している。

どんな仕事があるの?

●分譲営業
不動産を買いたい人に向けて、商品の魅力を紹介するほか、契約のための調整・交渉を行う。モデルルームやチラシなどからの反響型営業が中心。

●仲介営業
不動産を借りたい人に向けて、ニーズに合う物件を紹介したり、貸したい人との条件交渉を代行する。

●土地の仕入
商業ビルや分譲マンションなどを建設するための土地を調査・分析し、土地所有者から土地を仕入れる。

●プロパティマネジメント
ビルや住宅を1つの財産と考え、テナントの募集から設備メンテナンスまで、資産価値を高めるためのプランを練って、運営を管理する。

●マンション管理
賃貸・分譲マンションが快適、安全であるように見守り、管理をする。管理組合の運営補助や管理費などの調整・交渉なども担当する。

●管理技術
マンションなどの建物設備点検や修繕計画立案など、技術面での管理を担当する。

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ビル管理・メンテナンス業界

環境衛生からセキュリティまで快適環境を支える

都心の新しい大型オフィスビルはほぼ満室。朝早くから夜遅くまで、多くのスタッフが集まる空間だけに、電気や通信、空調、給排水、エレベーターなどの各設備のほか、環境衛生や警備、防災など、快適なビル環境を保つためのいろいろな管理が必要となる。それをとりまとめるのが、ビル管理・メンテナンス会社の仕事だ。また、空き室があればテナント誘致をしたり、長期的に運営できるよう修繕計画などを立てるなど、常に快適で魅力的なビルであり続けるためのプランを練っている。

なお、ビルメンテナンス業は総務省の「日本標準産業分類」で、「ビルを対象として清掃、保守、機器の運転を一括して請負い、これらのサービスを提供する業」、一方、そのほかの建物サービス業は「主としてビルなどの建物を対象にして清掃、保守、機器の運転、そのほか維持管理についてサービスを提供する業」と定義されている。

市場は成熟 今後はより細かなニーズに対応

社団法人全国ビルメンテナンス協会の調べによれば、業界の総売り上げはここ10年来、ほぼ横ばいか微増の状態。2008年以降、3兆5,000億円以上という規模に上ったが、市場は成熟したという見方が一般的だ。管理・メンテナンスの対象はオフィスビルに限らず、病院、マンション、官公庁、商業施設などさまざまであり、今後はよりきめ細かなニーズに基づいた対応が重要だろう。業態としては独立系だけでなく、不動産や金融、電鉄といった企業の系列会社も多い。

オフィスビルの高機能化に対処

オフィスビルに関しても、再開発地区や都心では、高いセキュリティや通信環境を備えた最先端ビルなど、年々高機能化している。それに伴い、管理する側の専門知識や技術もいっそう多様化、高度化が求められており、人材の確保、育成も課題となっている。今後は大手の寡占が進むとみられる一方、抱えている業種が多様であることから、特定の業務・分野についての専門性を高めた中小の企業が強みを発揮できる業界でもある。

業界関連用語

●ESCO(エスコ)事業
Energy Service Company の略称で、民間の企業活動として省エネルギーを行い、ビルオーナーにエネルギーサービスを包括的に提供する事業のこと。ESCO事業者はビルオーナーに対し、工場やビルの省エネルギーに関する診断をはじめ、方策導入のための設計・施工、導入設備の保守・運転管理、事業資金の調達などの包括的なサービスを提供して省エネルギー改修工事を実現し、その結果得られる省エネルギー効果を保証する。その報酬として、ESCO事業者は、ビルオーナーの省エネルギー効果(メリット)の一部を受け取る。

どんな仕事があるの?

●設備・施工管理
電気、空調、エレベーターなど設備の定期点検を担当し、安全な運営を支える。

●運営管理
ビル運営をスムーズにするための管理を担当。入居者やテナントとの賃貸契約や契約更新、要望への対応などを担当する。

営業
立地や建物の種別を踏まえてビルの管理計画を立て、オーナーに提案する。

●プロパティマネジメント
ビルを1つの財産と考え、テナントの募集から設備メンテナンスまで、資産価値を高めるためのプランを練って、運営を管理する。

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セキュリティ業界

オフィスビルや住宅の安全を守る

大型オフィスビルには駅の自動改札のようなセキュリティシステムを導入するところが増えている。そこで働く人は身分証明書を携帯し、訪問者は内部の許可がなければ入ることができないシステムだ。また、防犯カメラを設置したり、強盗や空き巣が入らないようにセキュリティ契約をする住宅が増えている。こうした、「いざ」というときに警備スタッフを派遣し、ビルや住宅の安全・安心を守るのがセキュリティ会社の仕事だ。

住宅が対象のホームセキュリティが成長

セキュリティ関連市場の主なものには、1)住宅、2)ビル、3)店舗、4)車があり、これら4つの市場を合計すると、2010年にはおよそ5,498億円とされている(富士経済調べ)。もっとも構成比の大きいものは、1)住宅で、設置が義務化されている住宅用火災警報器の存在が大きいが既築住宅への設置期限を2011年に迎えたためこれに関しては需要が落ち込むが、多品目は概ね順調に拡大すると予想される。一方、PCや携帯電話と連動したホームセキュリティシステムなどが市場の拡大につながっている。2)のビルは景気悪化の影響を受け伸び悩んではいたが、今後は映像監視分野での回復が期待されている。カーセキュリティの市場は2011年に東日本大震災の影響で自動車生産が大幅に落ち込み一時的に停滞するが、2012年以降には生産回復に伴い拡大すると予想される。

付加価値の高いサービスも広がっている

ビル管理会社や住宅管理会社が契約する標準的なセキュリティサービスに加えて、企業や住人が個別にセキュリティサービスに加入するケースも増えている。指紋が鍵になるシステムやネットワークカメラ(防犯・監視カメラ)や赤外線センサーで監視するシステム、24時間対応のコンシェルジュサービスなど、付加価値の高いセキュリティサービスにも注目が集まっている。ビルや住宅だけではなく、学校や街全体など、セキュリティ業界への期待は高まっている。尚、同じく富士経済の予想で、2014年に向けた市場の伸び率(2010年比)が最も高いのがパーソナルセキュリティ(静脈認証システムや被災者安否確認サービス)の市場。静脈認証システムが大半を占めているのが現状だが、2011年の震災をきっかけに被災者安否確認サービスも新規導入が進むと見られている。この他に位置情報検索サービス等があるが、これは子供や高齢者等の人に留まらず、ペットや荷物、自動車等の検索目的での採用が進んでおり、今後は防犯、安否確認以上の効果に期待がかかる。

業界関連用語

●生体識別装置/バイオメトリックス
指紋や声、顔、血流などで本人確認をする装置のこと。入退室管理など、セキュリティ分野でも取り入れられ始めている。

●ネットワークレコーダー
監視映像の記録・保存に加え、動きのある場面を察知し記録する動作検知や、必要な場面を迅速に探す検索などの機能を付加したIPネットワーク対応の画像記録装置。ネットワークカメラの普及とともに、市場が拡大している。

●画像遠隔モニタリングサービス
ネットワークカメラを利用したモニタリングサービス。留守宅見守りや駐車場、車庫、業務用の監視などの用途で、画像をPCや携帯電話からモニタリングできる。

どんな仕事があるの?

営業
企業や個人に向けて、安全を守るシステムや機器、サービスを提案する。

●警備スタッフ
ビルや住宅で契約に応じた警備サービスを行う。

●技術
安全を守る機器やシステムの点検やメンテナンスを行う。

企画開発
新しいセキュリティサービスや機器の企画開発をする。