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[業界研究] コンサルティング・調査

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概要

コンサルティング業界は、「海外進出を成功させたい」「社員のやる気を引き出したい」など、企業経営や戦略に関わるさまざまな悩みや課題を解決するために、専門的な情報やノウハウを提供する。シンクタンク・調査・マーケティング業界は、国民や消費者の動向を知りたいという企業や官公庁から依頼を受けて、情報収集や調査サービスを提供する。

コンサルティング業界

個人経営者や企業から依頼され、さまざまな相談に応じる

顧客は、個人経営者や企業。「3カ年経営計画を立てたい」などの経営戦略にまつわる相談から、「営業利益を上げるにはどうしたらよいか」など、営業会計人事、ITをはじめとするさまざまな分野における悩みや相談を受け、その具体的な対策を考え提案するのがコンサルタントの仕事。数カ月から数年単位でプロジェクトチームを組み、複数のコンサルタントがアイデアを出し合って仕事を進めることが多い。

グローバルな経営相談が増加

海外に生産・物流工場などを置く、海外国籍の人材を採用するなど、企業のグローバル化はますます進んでいる。しかし、文化の異なる国や人材と共に仕事を進めるには、さまざまな壁が立ちはだかるため、コンサルティング企業には、過去の事例や最新情報を踏まえて、解決策を提案することが求められている。

「信頼される企業」への取り組みも活発

企業不祥事などを減らすため、新しい法律「日本版SOX法(詳しくは“業界関連用語”参照)」が制定された。上場企業は不正会計がないかなどを報告することが義務づけられたため、「信頼度の高い会社」であることを証明するための対策を練っている。この分野でも、コンサルティング企業の活躍が期待されている。

企業によって得意分野や規模はさまざま

大手企業の経営陣レベルの課題を解決する「戦略系」コンサルティングファーム、証券会社など金融機関が母体となって設立された「総合研究系」、会計事務所が母体の「会計系」、人事課題や、IT株式公開支援など特定分野を得意とする「専門型」、中小企業向けに実務に即した提案をする「国内独立系」など、コンサルティング業界で働くといっても、就職先候補はいろいろ。得意とする分野や企業規模もさまざまだ。

業界関連用語

●IFRS(国際財務報告基準)
現在、世界100カ国以上で強制または任意適用が認められる会計基準。欧米諸国では、すでに取り組みがなされてきたが、これまで日本では、IFRSの適用(アドプション)ではなく、IFRSと日本基準との差異を縮小する(コンバージェンス)という対応がとられてきた。2015年または2016年に、日本でも適用されるといわれている。

●日本版SOX法
不正会計を防ぐために制定された法律(金融商品取引法の一部)。上場企業の経営者は、財務報告に対して不正がないことを証明する「内部統制報告書」を作成し、これを公認会計士又は外部監査人が監査することが義務づけられた。

●CSR(企業の社会的責任)企業が社会(社員、顧客、地域住民、投資家など)に与える影響に責任を持つこと。Corporate Social Responsibilityの頭文字をとった表現。現在では、企業が事業活動を行う中で、社会的な公正さや環境への配慮などを通じて周囲の利害関係者(消費者、取引先、地域社会、株主、従業員)に責任ある行動を取るべきだという、より広い意味での考えを指している。

●ERP
ERPとは「Enterprise Resource Planning」の略で、日本語では「企業資源計画」「経営資源計画」と訳される。企業内にある基幹業務(会計、販売、在庫・購買、生産、人事・給与)を有効活用するため、必要な情報を統合的に管理することで経営の効率化を図る手法・概念を指す。IT系コンサルティングには欠かせない。また、これを実現するためのパッケージソフトは「ERPパッケージ」と呼ぶ。

●BPO
Business Process Outsourcingの略。BPOとは企業の内部の業務処理(ビジネスプロセス)を一括して、外部の業者にアウトソーシングすること。従来のIT分野のBPOだけではなく、人事経理営業物流在庫管理までもBPOの対象となってきており、今後ますます伸びが期待される分野。

どんな仕事があるの?

●戦略系コンサルタント
企業の経営戦略にまつわる相談に応じる。会計から営業人事まで幅広い知識と説得力のある提案、顧客に信頼される魅力のある人間性が求められる。戦略系コンサルティングファームや総合研究所系コンサルティング会社には、戦略にまつわる相談が多いといわれている。すぐにコンサルタントになれるわけではなく、「アナリスト」「アソシエイト」を経て、コンサルタントになるケースが多い。

●専門特化型コンサルタント
営業、IT、人事会計など、特定分野に特化した相談、悩みに応じる。特定分野の深い知識と説得力のある提案、顧客に信頼される魅力のある人間性が求められる。すぐにコンサルタントになれるわけではなく、「アナリスト」「アソシエイト」を経て、コンサルタントになるケースが多い。

システムエンジニア
営業、IT、人事会計など、業務に使うコンピュータシステムを企画し、コンピュータ言語による開発を管理する。大手コンサルティング会社やIT分野のコンサルティング企業では、文理問わず採用を行っていることが多い。

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シンクタンク・調査・マーケティング業界

官公庁や企業に、必要な情報を提供する

「試作食品の感想を聞きたい」といった依頼から「国民が政府に何を求めているのかを知りたい」という依頼まで、企業や官公庁からさまざまな依頼を受けてアンケート、調査を行ったり、情報を集めたりする。さらに集めた情報について分析をしたり、分析結果を踏まえて提案をしたりすることも多い。シンクタンク(think-tank)は直訳すれば「頭脳集団」。経済や政策の専門家集団で、日本では大手銀行や証券会社系列のものが多い。

ネットやモバイルリサーチが成長

世界規模で情報収集ができる大手シンクタンクのほか、企業調査専門の調査企業、特定分野での調査を得意とする専門企業、インターネットや携帯電話経由での調査専門企業などがある。ここ数年は、短期間かつ、これまでより低価格で多くの人に調査ができることから、インターネット経由で調査を行うネットリサーチ企業や、携帯電話で調査を行うモバイル調査企業の成長が目立っている。

市場規模は縮小 今後は回復の見込み

日本マーケティング・リサーチ協会が2011年に会員企業150社を対象に行ったアンケート結果(回収社123社、回収率82%)によれば、2010年度の日本の市場調査業界の市場規模は、1,699億円、対前年比101.6%と、経済危機の影響から回復の兆しが見えていたところに、3月11日の東日本大震災、それに続く福島原発事故が発生したことが3月の年度末受注に影響したため、前年比1.6%の伸びに留まった。調査事業売上高としては、前年は経済不況の影響でマイナスであったが、一昨年のレベルにまでは戻るまでには至っていないものの、今年度はプラスになった。

業界関連用語

●CS
Customer Satisfactionの頭文字を取った表現で、「顧客満足」という意味。

●CRM
顧客ひとり一人の満足度を上げ、長期的に関係を築こうとする経営体制のこと。Customer Relationship Managementの頭文字を取った表現。

●アドホック調査
ある特定の調査のためだけに、オーダーメイドで設定・実施される単発調査のこと。目的に合った、各種の調査方法を用いて実施することができる。

どんな仕事があるの?

営業
顧客が何を知りたがっているのかを探り、調査サービスを提案する。

マーケティング
顧客が知りたがっていることを調べるには、どのような調査をするのがよいかを企画する。

●調査/リサーチ
営業マーケティング担当者と連携して、実際の調査活動を担当する。

●研究員
独自に調査・分析をして、社内外にその結果を発表する。

システムエンジニア
調査を行うシステムを作ったり、システムの維持管理を担当したりする。特にインターネットや携帯電話などを通じて調査活動を行う会社での需要が多い。