グローバル就職のための
お役立ちコラム
グローバル就職って何?
求められるスキルとグローバル就職を
成功させるポイントを徹底解説!
「大学を卒業したら、グローバルに活躍したい」「留学経験を生かして、グローバル就職がしたい」
など、未来に希望を抱いてはみたものの、具体的に何をすればいいかわからないという皆さん。
まずはこの記事を読んで、グローバル就職の最新動向を知ることから始めてみませんか?
「そもそもグローバル就職とは」「どんなスキルや経験が必要か」「グローバル就職に生かせる留学経験」など、
項目別にお伺いしました!

株式会社留学ソムリエ
代表取締役 大川 彰一さん
留学カウンセラーとし1,000名以上の海外留学に関わった後、米国教育NPOのアジア統括部長として2,000名以上のグローバル人材育成に尽力。現在は留学ソムリエとして、留学事業コンサルティングや産業連携プロジェクトに関わる。情報経営イノベーション専門職大学客員教授。東洋経済オンラインレギュラー執筆者。著書に『グローバル就活・転職術』(IBCパブリッシング)など。
グローバル人材とは?
グローバル人材が注目を
浴びている背景
近年、「グローバル就職」や「グローバル人材」という言葉が大きな注目を集めています。インターネットやITの進展、海外進出をする企業の増加など、さまざまな側面からグローバルな環境が高まり、今では海外でも活躍することが当たり前の時代になりました。
特にここ数年は、「VUCA」という概念が重視されています。VUCAとは、「Volatility(変動性)」「Uncertainty(不確実性)」「Complexity(複雑性)」「Ambiguity(曖昧性)」の頭文字を取った言葉で、「将来の予測が困難なこと」を意味します。まさに、予測困難な現代社会でビジネスを成功させるには、変化に対して柔軟に対応し、どのような状況でも諦めることなく仕事を成し遂げる姿勢が求められるようになったのです。
また、2020年の新型コロナウィルス感染拡大を機に、「働き方」が大きく様変わりしました。オンラインツールを用いてリモートワークやテレワークを推進する企業が急速に増加。どの国・どの場所にいても簡単にやりとりができることから、さまざまなプロジェクトを進めていくうえで重要なツールとなっています。
このような働き方の変化から、グローバル人材がますます注目を浴びるようになりました。
そしてもう一つ、グローバル人材の特徴として「年収の格差」があります。
国別年収の格差 | |
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国 | 平均年収 |
アメリカ | 77,226ドル (4位) |
オーストラリア | 63,926ドル (10位) |
日本 | 42,118ドル (24位) |
経済協力開発機構(OECD)が加盟国の平均賃金ランキングを発表しており、日本は24位という結果が出ています。平均年収は欧米が高い傾向にあり、近年の円安も相まって年収格差がさらに広がっています。「海外と日本のどちらで働くか」と検討する際、このような年収の格差から「海外で働くこと」を選ぶ人も少なくないかもしれません。
グローバル人材の特徴と
働くメリット
グローバル人材として働くメリットはどこにあるのでしょうか。
グローバル人材の特徴と メリット |
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世界どこでも 働ける | 欧米、アジア、イスラム、アフリカ。 世界のどこで働くか選ぶことのできる時代 |
誰とでも 働ける | 文化の違いを乗り越えてチームとして働ける。 日系・外資系どちらでも働ける |
自走できる | 上司から指示されなくても自分で考えて結果を出すことができる |
グローバル人材の特徴とメリット | |
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世界どこでも働ける | |
欧米、アジア、イスラム、アフリカ。 世界のどこで働くか選ぶことのできる時代 |
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誰とでも働ける | |
文化の違いを乗り越えてチームとして働ける。 日系・外資系どちらでも働ける |
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自走できる | |
上司から指示されなくても自分で考えて結果を出すことができる |
まず、これまでご紹介したように、オンラインプラットフォームの発達により、どこででも働ける環境が整備されました。つまり、「世界のどこで働くか」を自分自身で選ぶ時代が到来したのです。この環境は、グローバル人材にとって大きなメリットになるでしょう。
また、グローバル人材は、留学経験などからさまざまな国や地域の人々と交流してきた経験があり、その経験を生かした働き方ができます。そして、上司の指示を待つのではなく、自ら考え、提案して仕事を進める力を備えています。「誰とでも働ける」「自走できる」ことは、グローバル人材の大きな強みといえます。
グローバル就職の種類と働き方の違い
グローバル就職の種類と
働き方の違い
グローバル就職の種類
(国内型・海外型)
一口にグローバル就職と言っても、その種類はさまざまです。そこで、国内型・海外型の二つに分類してみました。
グローバル就職と働き方 | |
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国内型 | 海外型 |
外資系企業の日本法人に就職 | 海外の現地企業に就職 |
グローバルに事業展開する日系企業に就職 | 日系企業の海外拠点に就職 |
国内型は「外資系企業の日本法人に就職」「グローバルに事業展開する日系企業に就職」、海外型は「海外の現地企業に就職」「海外の日系企業に就職」があります。
日本には、グローバルに事業展開している企業がたくさんあります。例えば海外に工場を持っているメーカーや、海外から商品を輸入している商社など。このような企業なら、駐在員として海外に派遣されるチャンスもあるかもしれません。
また、外資系企業の日本法人も、日本にいながらにしてグローバルに働くことができます。
この場合に注意したいのが、日本のビジネス習慣ではなく、海外のビジネス習慣やカルチャーが根付いているとこです。
コミュニケーションは英語が基本となる場合が多く、書類のまとめ方も日本とはまた違った視点が求められます。
そういう意味では、より現地に近い働き方ができるといえるでしょう。
一方、海外型の就職は、学生の皆さんがイメージする「グローバル就職」に近いかもしれません。
ただし、海外の企業に就職する場合、日本型の就職に比べて「ハードルが高い」と感じる人も少なくないでしょう。
そこでオススメは、いきなり海外での就職を目指すのではなく、段階を踏んで海外の企業に就職する方法です。
例えば学生時代に海外インターンシップに参加すると、海外企業での働き方や海外企業ならではの文化を知ることができます。
加えて、日系企業のインターンシップにも参加すれば、海外企業と日系企業の違いがわかり、自分に合った企業を選択する基準も見えてくることでしょう。
なお、現地採用の場合、給与などの条件が日系企業とは異なる「独自の体系」を用意しているところが一般的です。
海外型の就職を目指している人は、条件の違いなどもチェックするとよいでしょう。
日本の就職活動と
海外の就職活動の違い
次に、就職活動の視点から日本と海外の違いについて解説します。
日本では、その年に採用する人数や採用フロー、採用スケジュールなどを採用計画として定め、
その採用計画に沿って採用活動を行う「新卒一括採用」が一般的です。
終身雇用を前提に導入された雇用制度で、実務経験のない学生を対象としているため、多くの場合ポテンシャルを評価して採用します。
また、募集時に細かな職種を定めず、「総合職」として採用するケースがほとんどです。
入社後は配置転換(ジョブローテーション)により、さまざまな経験を積みながら成長していきます。
一方、海外ではジョブ型と言って、職務ごとに募集して、必要な専門性を持った人材を採用します。
「マーケティングの人材が必要だから、募集をかけよう」とその都度、人材を募集。
海外の企業は募集する職種に関連した部門のリーダーが人事権を持っていることが多く、人事部ではなくマーケティング部のリーダーが採用を行います。
日本就職のように、「入社後、さまざまな経験を積む」と言ったことはありません。
マーケティング職としてのキャリアを評価されて入社し、入社後もマーケティングのキャリアを積んでいきます。
つまり、海外就職は、軸となる専門性をもって経験を重ね、キャリアアップや年収アップなどを目指していきます。
「進みたい方向」を自分で考え、デザインしていくのがジョブ型の大きな特徴と言えます。
日本と海外における 就職活動の違い |
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日本就職 | 海外就職 |
メンバーシップ型 新卒一括採用 在学中に就職先を決定 ポテンシャル重視 | ジョブ型 人材補充のための採用 インターンシップを経て就職先を決定 スキル重視 |
日系企業と外資系企業の
働き方の違い
働き方の違いについても詳しくみていきましょう。
日本と海外における 就職活動の違い |
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日系企業 | 外資系企業 |
社員教育が充実 ジョブローテーション 勤勉さ 時間に正確 ビジネスマナー |
自分の仕事は自分で勝ち取る 専門性を高めていく 成果主義 チームワーク 効率主義(スピードが大切) 第一印象が大切 |
就職活動をしている学生さんの視点で日系企業と外資系企業を比較すると、一番に感じるのが「社員教育」かもしれません。
日本は社員教育が非常に充実しているからです。外資系企業の場合、日本のように教育制度を用意しているところはほとんどありません。
「自分で学び、自分で仕事を勝ち取ること」が一般的だからです。
また、日系企業はジョブローテーションによりさまざまな部門の仕事を経験できますが、ジョブ型雇用が一般的な外資系企業では、
一つの専門性を高めていくことになります。ただし、近年は複数の専門性をかけ合わせて「自分自身の強み」とするケースが増えてきました。
例えばプログラミングとマーケティング、セールスと企画など。一つの専門性を軸にしながら、キャリアに応じて2つ目、3つ目の専門性を備える。
これもまた、外資系企業ならではの働き方と言えるでしょう。
日系企業は勤勉な社員が非常に多く、「日本ならではの美徳」とされています。
時間に正確で、一生懸命に働き、周囲の人と協調しながら仕事を進めていく。
このような勤勉な姿勢は、その社員や会社の信用にも繋がります。
もちろん、外資系企業においても「信用」は非常に重要です。
ただし、日系企業と比較すると、より効率的に働きながら成果を挙げていくことが求められます。
仲間とのチームワークを大切にしていますが、周囲に合わせるような働き方ではありません。
「Good job!」と声を掛け合いながら、チームを盛り上げていきます。
第一印象についても、日系企業と外資系企業で違いがあります。
日本は身だしなみやマナーを重視する傾向がありますが、外資系企業はエネルギッシュさや笑顔、声の大きさ、モチベーションなどを見て「信頼できる人材か」を判断します。
これは留学や海外インターンシップでも同様で、このような視点から外資系企業は第一印象を非常に大切にします。
グローバル人材に求められること
グローバル人材に
求められること
グローバル就職の
マインドセット
皆さんは「グローバルマインドセット」という言葉を聞いたことがありますか。グローバルマインドセットとは「グローバルに活躍するうえで必要となるスキル」のことで、「知的資本」「心理的資本」「社会的資本」の3つの要素があります。
グローバルマインドセットで掲げる3つの要素 | |
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要素 | 内容 |
知的資本 | ◯グローバルビジネスの理解……その国の経済や産業構造について知る、業界の動向を理解する ◯複雑性の認知……さまざまな課題を把握し解決することができる ◯コスモポリタン的な思考……世界的視野のもとに行動できる ◯日本についての理解……歴史や宗教、文化、チリ、人口などの基本情報から時事問題まで把握しておく |
心理的資本 | ◯多様性の尊重……ジェンダー平等やLGBTQへの理解、外国人労働者との共存 ◯冒険心……チャレンジ精神、積極性 ◯自信……決意、精神的な強さ、自己信頼性、相手へのリスペクト |
社会的資本 | ◯異文化への共感……その国の文化や国民性、背景にあるものを理解し尊重すること ◯対人影響力……多種多様な意見や考え方を取りまとめたり、説得したり、合意を形成しながらプロジェクトを推進していく力 ◯対人交渉術……相手の真意や目的を正確に推し量ることができる能力、傾聴力 |
知的資本は、グローバルビジネスや日本への理解を深め、世界的視野のもとに行動できる力や、さまざまな課題を把握し、解決していく力などのこと。
これらは大学で学んだり、もしくは独学でも知識を習得することができるでしょう。
一方、心理的資本は多様性の尊重や冒険心、自信などで、社会的資本は異文化への共感や対人影響力、対人交渉術などを指します。
これらのスキルは、留学や語学研修、海外インターンシップなどの機会で培われやすいスキルです。
これらのスキルを一度にすべて習得するとなると、大変な労力を伴うでしょう。
そこで、まずはそれぞれの資本の中で「大事だと思う項目」や「興味ある項目」に絞って理解を深めていくことをおすすめします。
例えば知的資本の「複雑性の認知」で求められる「さまざまな課題を把握し解決することができる力」。
探究学習などで学んだ課題をさらに深堀りして、自分なりに解決方法について考えてみましょう。
また、心理的資本の「多様性の尊重」は、留学や海外インターンシップ経験が大いに役立ちます。
海外の企業は、多様性を尊重した働き方が当たり前になっており、このような環境で就業経験をすることで、「多様性を尊重すること」の本質的な意味が理解でき、自分自身の心にもその考えが自然と備わっていくことでしょう。
グローバル人材に
求められるスキル
次に、グローバル人材に求められるスキルを4つの視点から紹介します。
グローバル人材に求められる 4つのスキル |
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スキル | 内容 |
コミュニケーション能力 | 異なる文化や背景を持つ人々と円滑に意思疎通を図るためのスキル |
異文化理解力 | 多様な文化や価値観を尊重し、異なる考え方や習慣に適応できる能力 |
問題解決能力 | 自ら考え、状況に応じた解決策を迅速に見つけ出す能力 |
順応性 | グローバルな環境では予期せぬ展開に直面することが多い |
グローバル人材に求められる4つのスキルのうち、最も大事なのはコミュニケーション能力です。
異なる文化や価値観、背景を持つ人々と働くうえで必須のスキルと言えるでしょう。
2つ目の異文化理解力は「さまざまな文化や価値観を尊重し、異なる考え方や習慣に適応する能力」を指します。
しかし頭ではわかっていても、いざ本人と向き合ってみると、意外と自分とは異なる文化や価値観を尊重することが難しいと感じてしまいがちです。
この場合、たくさんの人と交流し、経験を通じて身につけていくほかありません。
そういう意味でも、異文化理解力は留学などの経験から培いやすいと言えるでしょう。
問題解決能力は、グローバルな環境において日常的に発生する大小さまざまな課題への対応力を指します。
中には答えが出せないような複雑な問題もあり、複数の問題が一度に集中して起こることもあります。
留学生活で問題が起こった際、積極的に向き合い、取り組んでいく姿勢を持つことでこの力を磨くことができます。
最後に掲げた順応性は、変化対応力と表現することもできます。
グローバルな環境になればなるほど、急激な変化や予期せぬ変化が起こります。
例えば、「会社の方針が突然変わった」「人事異動で新しいディレクターが来て、これまでと真逆の方針を出してきた」など。
変化を前向きに受け止めてベストを尽くす。このような姿勢がグローバルな環境で求められます。
留学でグローバル人材に求められるスキルを磨こう!
留学でグローバル人材に
求められるスキルを磨こう!
留学経験からグローバル就職に活かせる4つのスキル
これまで解説してきたように、留学はグローバル人材に求められるスキルを磨く最高の機会となります。そこで、留学経験からグローバル就職に生かせるスキルを4つに整理してみました。
留学経験からグローバル就職に生かせる4つのスキル | |
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スキル | 内容 |
コミュニケーション能力を磨く | チームや顧客とのコミュニケーションを円滑に行うために役立つ |
問題解決能力を磨く | 新規プロジェクトや日々起こりうるさまざまな困難な状況に対応できる |
異文化理解力を磨く | 異なるバックグラウンドを持つ人々と円滑に協働できる重要なスキル |
英語力を磨く | グローバルビジネスの必須スキル。交渉やプレゼンの機会は特に役立つ |
コミュニケーション能力や問題解決能力、異文化理解力に関しては、これまで解説したとおり。英語力に関しては、「TOEICやIELTSのスコアを上げる」と考える方がいらっしゃいますが、グローバル就職の場合は、「ビジネスの場で使えるか」という視点で英語力を磨く姿勢も必要です。
例えば会議を進行したり、プレゼンテーションを行うことができるか。日常会話レベルではなく、ビジネスの場でも臆することなく英語で発言やプレゼンができるレベルになると、就職後のキャリアに大きな違いがでます。日常会話レベルだと、社内で円滑なコミュニケーションができても、マネージャーレベルまで到達できないことが多いからです。マネージャーレベルまで行くと年収がぐんと上がるし、仕事範囲も一気に広がります。グローバル就職した「その先のキャリア」まで考えるのなら、ぜひ、ビジネスレベルの英語力習得を目指しましょう。
留学経験をグローバル就職に生かすための4つのアクション
最後に、留学経験をグローバル就職に生かすうえで大切になる「4つのアクション」について、紹介します。
1.自分の意思を伝える
日本には「以心伝心」という言葉があることからもわかるように、相手が言葉に発しなくても、「何をしたいのか」「どんなことがしたいのか」を察する文化があります。しかし海外では、直接、言語で伝えないと理解してもらえません。例えば留学中、ホストファミリーにしてほしいことがあるとします。日本なら家族が自然と察してくれるかもしれませんが、ホストファミリーは言語化して伝えなければわかってくれません。
ビジネスの場でも同様です。日本人は言語化して伝えることが苦手な傾向にあるので、意識的に「自分の意思を言葉で伝える」ことを心がけましょう。
2.コミュニケーションラインを守る
例えば留学中、現地でトラブルが起きた時、身近な人を通り越して親御さんに連絡すると大きなトラブルに発展することがあります。この場合、「ホストファミリー/ルームメイト」「現地にいるコーディネーター」「日本側のコーディネーター」「大学の担当窓口」「日本にいる保護者」の順番に連絡をすると、スムーズに問題が解決します。
ビジネスの場も同様で、直属の上司を飛び越えて話を進めると、問題が大きくなりかねません。留学中に「コミュニケーションラインを適切に守る」習慣を身につけておくと、グローバル就職した際に大いに役立てることができるでしょう。
3.伝え方を考える
日本語はあいまいな表現が多く、ビジネスの場でも「なるべく早く」「きちんと」「しっかり」といった表現を使いがちです。日本人同士ならこれで伝わるのですが、海外では一切伝わりません。「この日までに、今回送ったメールの返事をください」など、数字や期限などを交えながら具体的に伝えることが大切です。日本と海外で大きく違う点なので、留学中に「相手にわかるように伝える」姿勢を身につけておくとよいでしょう。
なお、「Please」をよく使う人がいますが、この表現は直接的すぎるため、ビジネスの場で使うと相手にびっくりされてしまいます。「Would you mind~」や「Can you please~」「Would you be able to~」などの丁寧な表現を使うと良いでしょう。
4.異文化を尊重する
異文化の尊重に関しては、これまで何度も解説してきたので、ここでは具体的に紹介します。寮で生活している時、ルームメイトが毎晩、夜遅くまで電話していたとします。できればやめてほしいのですが、なかなか改善されません。この場合、「まずは相手の要望を傾聴すること」がポイントになります。なぜなら、いきなり反論すると、相手が間違っていたとしても認めてくれなくなってしまうからです。
ビジネスの場でも問題が起きたり、対立するケースが出てきたら、相手の要望をよく聞き、反論しないことが大切です。まずは、要望に応える姿勢を相手に見せる。すると、相手も次第に心を開いてくれます。そして、スムーズな解決につなげていくことができるのです。
留学中、さまざまな文化や価値観の人と交流していると、ちょっとした意見の食い違いが起こるとは日常茶飯事です。留学経験を通じて「まずは相手の要望を聞く」というアクションを何度も行ううちに、自然と異文化を尊重する気持ちが育まれていくことでしょう。
5.やる気を伝える
海外では、「やる気を伝える」ことがとても大切です。
「頑張っているのに、評価が低い」と悩んでいる留学生がいました。よくよく聞いてみると、真面目に授業を履修していますが、いつも後ろの席に座り、ディスカッションも聞き手に回ってばかり。やる気が重視される海外の場合、このような姿勢では評価が低くなってしまいます。
実際、他国から来た留学生が積極的に発言している姿を見て、臆してしまう日本人留学生はたくさんいます。そのため、常日頃からやる気を伝えるよう心がけましょう。その姿勢がグローバル就職に必ず役立ちます。
グローバル就職では、面接の最後に「Do you have any questions?」と聞かれることがよくあります。このようなときこそ、やる気を伝えるチャンスです。面接の準備をする際、10項目ぐらいの質問を想定しておき、面接時にベストだと思った質問を一つ二つぶつけるくらいの姿勢でいると良いでしょう。