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アメリカ留学、海外インターンシップを経て、総合商社へ。

アメリカ留学、

海外インターンシップを経て、

総合商社へ。

目標実現のためのロードマップを描き、
社会課題の解決に貢献!

CKさん

総合商社勤務
日本在住 C.K.さん

経済学部経済システム法学科卒。ニューヨークに半年間語学留学をした後、フィリピンのNGOでインターンシップを経験。再び渡米し、ポートランドのコミュニティカレッジで英語を学ぶ。留学中に就職活動を開始し、100社以上にエントリー。第一志望の総合商社から内定を得る。入社後、ケニアに2年間出張で行き来し、現在は子会社に出向中。

海外インターンシップでNGOの活動に参加し、「将来の目標」を見出す

子どもの頃からハンドボールを続け、大学でも全国制覇を目指して練習に励んできました。大学でもハンドボール部のキャプテンを務め、「人生の目標はハンドボールのみ」と断言してもいいくらいでした。なので、大学3年生の前期に部活動を引退した時、心にポッカリ穴が空いたような気持ちになりました。自分は何をすればいいのだろう。幾度となく悩み、「夢を持った人に出逢えれば、自分も夢が見つかるかもしれない。ニューヨークなら、きっと逢える」と思い、半年間の語学留学に行きました。

実際に留学をしてみると、夢を持った人がたくさんいて、みんな「自分の夢を実現するためにニューヨークに来たんだ」と語ってくれました。ですが私は彼らに「君は何のために来たの?」と聞かれても、答えることができませんでした。そして、経済的な理由や家庭の事情などから夢を諦めて母国に帰る友人たちを見て、大きな衝撃を受けました。夢を持った人たちが帰国しなければならないのに、夢を持たない自分がニューヨークに残っている。この事実に自分自身が情けなく感じました。語学留学を終えても、まだ夢は見つからず、フィリピンで1か月間ゴミを拾って生計を立てる人々を支援するNGOのインターンシップに参加して人生が大きく変わりました。食べるものもなく、明日死ぬかもしれない環境で生き抜こうとする人たち。彼らを支援するうちに当事者意識が生まれ、「この問題をなんとか解決したい。これが自分のやりたいことだ」と思うようになったのです。

社会課題を解決する。この目標を実現するため、総合商社に入社

その後、私は大学を休学し、再び渡米。ポートランドにあるコミュニティカレッジに留学。語学力の強化が目的だったので英語のクラスを中心に履修したほか、週末には公園での炊き出しなどボランティア活動に参加しました。

これらの活動と並行して、就職活動を進めました。日本人向けのキャリアイベントに参加し、IT企業やコンサルティングファーム、食品メーカーなど、業種を絞らず幅広い企業を受けました。中でも最も強く惹かれたのが、商社でした。「途上国で水道を作れば現地のインフラが整い、雇用が生まれ、やがて国が豊かになる。しかも私たち日本企業も利益が出る」と聞き、商社であれば自分の目標を実現できると思いました。結局、留学中の就職活動も含めると、エントリーした企業は100社以上に上り、そのうち面接へ進んだのは40社程でした。

もちろん、場当たり的に受けたのではなく、事前に企業研究を行って採用方針を理解し、面接でアピールする内容を戦略的に練っていきました。第一志望の総合商社の選考では留学や海外インターンシップの経験、ハンドボール部の活動などを存分にアピールしました。「ハンドボールで世界優勝するには、どうしたらいいと思いますか?」という質問を受けたときには、「部員一人ひとりの個を磨く」と答えるなど、採用基準を意識した返答をしました。

私が在籍していた大学は、総合商社への入社実績がほとんどありませんでした。それでも第一志望の総合商社が私を評価し、内定を出してくれたのですから、私はとてもラッキーだったと思います。

出張先のケニアで日本企業と現地のパイプ役を務め、
衛生紙(生理用ナプキン)を展開していく

総合商社に入社した私は、最初に営業経理部門に配属になりました。どの事業を進めるにしても、お金の流れを知ることは非常に重要です。しかし私は「なぜ営業部に配属されなかったのだろう」と思いました。1日も早く営業部に異動して困っている人たちを支えたいと思い、上司と面談するたびにこの思いをぶつけました。

その後営業部への異動辞令が出たときは、本当に嬉しかったです。私が配属されたのは、衛生紙(おむつや生理用ナプキン、トイレットペーパーなど)という森林由来の事業を管轄するチームです。製紙会社の製品をアフリカへ展開する業務を担当し、2年間に渡ってケニアに長期出張しました。

現地でオフィスを借りて現地のスタッフの方や、現地の販売代理店と一緒に営業活動を進めていきました。営業先はスーパーマーケットやドラッグストア、ECサイトの運営会社など。ケニアはスワヒリ語と英語が公用語で、9割型英語が通用します。商談もすべて英語で、ビジネス英語ができれば仕事で困ることはほとんどありません。

ただ、皆さんが「環境が整ったオフィスで商談を進める」というイメージを抱いているとしたら、それは間違いです。もちろん、オフィスで商談することもありますが、家族経営のようなお店を訪問する機会もたくさんあるからです。大手スーパーマーケットはヨーロッパ資本が入っており、契約条件を細かく詰めていきます。一方、家族経営のお店はざっくばらんで、「じゃあ、これだけ買うわね」と経営者の方がその場ですぐに導入を決め、契約締結になることも多いです。

また、現地の文化やコミュニケーションのニュアンスが理解できていないと、スムーズに商談を進めることはできません。ケニアには日本と同じように「本音と建前」が存在しますが、時間意識に関しては日本の真逆です。何をするにも、ゆっくりのんびり。私は日本とケニアを繋ぐ立場にいたので、双方の時間意識の違いを理解しながら仕事を進めていくことに苦労しました。

こうした文化やニュアンスの違いを理解するためにも、現地の人たちとのコミュニケーションを意識的に図っていきました。ケニア人はお酒が大好きなので、週末はよく現地の友人や知り合いとお酒を飲んでいました。平日のスケジュールを紹介すると、朝7:00に起床して、9:00に出社。ケニアコーヒーを飲み、午前中は社内の営業メンバーとその日の営業先について検討します。その後、販売代理店に行って指示を出し、一緒に営業先に向かいます。営業先では販売代理店の交渉をサポート。19:00頃に終業し、夜は現地のスタッフや代理店の経営者と夕食を共にします。

好奇心旺盛で、どこに行ってもその土地の生活を楽しめる人なら、きっと出張や駐在も楽しく取り組むことができると思います。商社には多種多様な人がいて、それぞれが自分の強みを発揮しているため、基本的にはどんな人にも向いていると思います。大切なのはどんなことにも物怖じせず、信念を持つこと。「これがやりたい」という思いを抱き、そのために努力を続けられる人が商社で活躍できる人材だと思います。

世の中の「マイナス」を「プラス」に!総合商社で私が成し遂げたいこと

出張中、私は「生理用ナプキンの使用率が50%以下のケニアで、質の高い生理用ナプキンを届け、人々の生活をより良いものにしたい」という信念の元、仕事に取り組んできました。その根底にあるのは、インターンシップ先のフィリピンで得た経験です。社会課題にアプローチしたい。世の中の「マイナス」を「プラス」にしたい。この気持ちは、これからも決して揺らぐことはないでしょう。今後は、社会課題解決型のビジネスを自ら立案し、事業化させていけたらと思っています。

私自身は入社して8年が経ちますが、「一人前」だと思ったことはありません。いつまで経っても「半人前」だと考え、だからこそ努力を積み重ねながら目標を達成したいと思っています。

語学スキルやコミュニケーション力、交渉力や調整力、そしてダイバーシティを受け止め理解する力などさまざまなスキルが必要ですが、やりたいことが実現できない理由を「若いから」「スキルがないから」と決めつけるのは間違いだと思っています。大切なのは、行動すること。やりたいことがあるのなら、それを実現するために何をすればいいのかを本気で考え、そのための行動に移すこと。そして、周囲の人々の意見も聞き、さまざまな人たちを巻き込みながら進めていくことが大切です。自分から行動を起こすことで、着実に夢の実現に近づけると思っています。

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