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“好き”を就職活動の軸に!

旅行業界から外資系企業へ。自分らしいキャリアの築き方

“好き”を就職活動の軸に!

旅行業界から外資系企業へ。
自分らしいキャリアの築き方

M.H.さん

日系旅行会社から外資系企業へ転職
日本在住 M.H.さん

大学在学中にアメリカ(ロサンゼルス、ニューヨーク、サンディエゴ)へ留学し、多国籍な学生寮での生活を通じて語学力と異文化理解力を培う。卒業後は日系の旅行会社に入社し、営業として幅広い顧客に向けた旅の提案業務を経験。その後外資系企業に転職し、リゾート商品の営業職に。現在は成果主義の評価と柔軟な働き方のもとでキャリアアップを目指しながら、多くの人の“旅への第一歩”を後押ししている。

異文化の中で身に着けた価値観や英語力。そして留学への後悔

「新しい世界を見てみたい」そんな気持ちが私の留学の原点でした。大学は経営学部で学んでいたため、留学はカリキュラムや単位とは無関係。それでもアメリカ留学を選んだのは、ある友人の影響が大きかったからです。英語学部に所属していたその友人が留学を決めたと知り、「新しい環境に飛び込むって、すごいな」と心が動きました。気づけば自分も挑戦したいと思っていました。

最初は大学2年次の夏に3週間滞在したロサンゼルス。そして本格的な長期留学は、大学3年の後期に休学して臨んだ11カ月間の留学。ニューヨークで9カ月、サンディエゴで3カ月を過ごしました。

なかでも印象に残っているのは、やはりニューヨークでの生活です。世界中から学生が集まり、年齢もバックグラウンドも実にさまざま。学生から社会人まで同じキャンパスで学び、語り合い、時にぶつかり合う――そんな毎日の中で、「理解できなくても、思いやることの大切さ」を学びました。学生寮では、トルコやメキシコ、スイスなど、5カ国の学生と同居。掃除の分担ひとつをとっても、価値観の違いから小さな衝突が起きます。それでもお互いの立場に立って話し合えば、ちゃんと歩み寄れる。異文化の中での共生とはそういうことなのだと実感しました。

語学力にも小さな変化が訪れました。最初の頃は英語を専門的に学んでいた学生と比べて、苦労する場面がありました。しかし半年が過ぎた頃、英語で夢を見るようになったんです。その瞬間、「あ、自分は、ちょっとは成長できたかもしれない」と感じました。あの感覚は、今でもふと思い出すことがあります。

ただ正直に留学生活を振り返るなら、「もっとやれたことがあったなあ」と思うこともあります。現地のボランティアやインターンシップ、コミュニティへの参加など、せっかくアメリカにいたのだから、もっと積極的に現地での活動に参加しておけばよかったと感じています。留学は、自分次第で可能性がいくらでも広がる経験なのだと帰国してから気づきました。

「好き」を軸にした就活で、面接時の言葉に説得力が宿った

就職活動で私が何より大切にしたのは「好き」という気持ちでした。もともと旅行が好きで、留学経験を通じてさらにその想いが深まっていたこともあり、自然と旅行業界に目が向きました。一方で、車も昔から好きで、大学時代にはいろいろな自動車メーカーの車に乗っており、自動車業界にも興味がありました。最終的には旅行と自動車、どちらの業界に進むかで迷いましたが、「どちらが自分の“好き”を、より一層活かせるか」で考え、旅行業界を選びました。

自動車ディーラー2社からも内定をいただきましたが、私が留学に行く際にお世話になった旅行会社により強い縁を感じ、最終的にその会社への就職を決めました。「自分の経験を還元できる場で働きたい」という想いも大きかったと思います。

就活ではSPIや面接準備にやや苦戦したものの、志望動機や伝えたいことは自分の中で明確に持っていたため、選考自体には大きくつまずくことはありませんでした。やはり「好き」が軸にあると、言葉に嘘がなくなるのだと思います。面談の場でも話す際に気持ちが自然と入り、エピソードも具体的に出てきます。結果として、面接官にも伝わるものがあったのだと感じています。

日系企業から外資企業へ。働き方も、評価も、大きく変わった

日系の旅行会社に入社し、主にお客様に向けた旅のプランを提案する業務に就きました。商業施設内にある店舗で扱う商品は多岐にわたり、ハワイ旅行や野球観戦を目的としたアメリカ行きの航空券、さらには大学教授の海外出張まで、個人・法人を問わず幅広いニーズに対応していました。現地支店やホテルとのやり取りも多く、英語での対応は日常的。留学で培った語学力や異文化理解が、そのまま仕事に生きていることを実感していました。

印象に残っているのは、自分の“リアルな体験”が提案の説得力につながったことです。実際に訪れた国や地域の提案には、お客様の反応もかなり良かったです。自分が実際に行って感じたことを伝えることで、お客様もイメージしやすくなります。行ったことがある国の提案はどんどん自分の“得意な国”になっていきました。

キャリアに転機が訪れたのは、新型コロナウイルスの影響が直撃した年。旅行需要が激減し、勤務は月に数回で、給与体系も大きく変わってしまいました。そんな中で、「成果に見合った評価を受けたい」という気持ちが強まり、外資系企業への転職を決意しました。現在は、高級リゾートのタイムシェアの開発・販売をする米国企業の日本法人で、営業職に就いています。

仕事の現場は主に空港や商業施設。お客様に声をかけ旅行への関心を引き出しながら、10〜20分ほどの会話で説明会の予約を提案しています。時間は短くても、その一瞬でどれだけ相手の気持ちを動かせるかが勝負。まさに「話す力」と「惹きつける力」が問われる仕事です。空港など、これから旅行に向かうお客様が多い場所では話も弾みやすいです。

外資系企業に転職して感じたのは、日系企業とのカルチャーの違いです。特に「評価の基準」「働き方の自由度」「キャリア形成の仕組み」の3点には差があると個人的に感じています。外資系企業の場合、個人の数字が明確に評価される“絶対評価”の制度で、成果が報酬に直結する点で非常にモチベーションになります。また、仕事のオンオフもはっきりしており、頑張った分だけ長期の休暇を取ることも可能。実際に私は、年に1度は海外旅行に出かけ、月に1度は国内旅行を楽しむライフスタイルを実現しています。

社内でのキャリアアップも、公募制度が整っており、自ら手を挙げてチャレンジできる仕組みです。現在はサブリーダーとしてリーダー昇格を目指して実務を学んでいるところです。さらに、将来的には販売職への異動も視野に入れており、そのために宅建の取得にも挑戦中。会社のサポートを受けながら、着実にステップを踏んでいます。

数字がすべてとはいえ、その先にあるのは「自分の好きなことを続けたい」という気持ち。私は旅行が好きだからこそ、仕事でも成果を出し、休暇でまた旅に出る――その循環が、今の原動力になっています。外資系企業でのキャリアは、自分の頑張りと人生をきちんと結びつけてくれる場所。これからも自分らしく、挑戦を続けていきたいと思っています。

留学経験を“強み”に変える。旅行業界・外資系企業をめざす人への2つのアドバイス

旅行業界や外資系企業は、留学経験を持つ人が「いつかは働いてみたい」と、就活で意識しやすい業界です。私自身もそうでした。実際に両方を経験して感じたのは、“好き”や“経験”を言語化できるかどうかが大きな鍵になるということ。それぞれの業界で働くうえで、私が大切だと感じたポイントをお伝えします。

① 旅行業界を目指すなら、
リアルな旅の経験が差別化のポイントになる​

旅行会社では、接客をしながら電話やメール対応を並行する場面が多く、マルチタスクで仕事を進める力や、柔軟性が求められます。決して華やかな仕事ばかりではありませんが、「旅が好き」「人と話すのが好き」という気持ちがあれば、日々の業務にもやりがいを見出せるはずです。

先述した通り、旅行業界では「行ったことのある国=提案に説得力が出る国」になります。パンフレットやネットの情報よりも、自分の体験に基づいた言葉のほうが、相手の心に届きます。

もし今留学をしている、もしくは今から留学に行く予定の人は、ぜひその国や都市だけではなく、周辺の国や都市にも足を伸ばして色々な体験をしてください。きっと旅行業界での仕事に役に立ちます。

② 外資系企業を目指すなら、
“成果に向き合う力”と“学び続ける意欲”を​

外資系企業に共通しているのは、「数字がすべて」という文化です。私が働く現在の職場でも、評価の中心にあるのは個人の営業成績。自分の出した成果が、報酬あるいは休暇の自由度にダイレクトにつながるため、自分次第で働き方を選んでいける魅力があります。

ただし、このような環境に順応するには日々の変化に自ら積極的に対応し、知識をアップデートしていく学習意欲が必須です。私自身も、今後のキャリアのために資格取得に挑戦しており、会社の制度を活用しながらスキルアップを続けています。

外資系企業で働くからこそ、自分の「努力」と「人生」をリンクさせる力が求められる――それはプレッシャーでもありますが、何よりも働きがいにつながると感じています。

私は2つの仕事を今まで経験してきましたが、どちらも自分の「好き」から始まった仕事です。どんな仕事を選んでも、自分の「好き」さえあれば、きっとあなたらしいキャリアが築けるでしょう。

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