グローバル就職のための
お役立ちコラム
CAになる夢を叶えた就活術
留学経験が武器に!語学力より大切だった“自分らしさ”
CAになる夢を叶えた就活術
留学経験が武器に!
語学力より大切だった“自分らしさ”
航空会社勤務・客室乗務員
日本在住 O.A.さん
大学在学中にロサンゼルスで半年間の留学を経験し、狭き門とも言われるCA採用において複数社から内定を獲得。現在は研修を通じて、自分なりの“お客様に寄り添うCA像”を模索中。CA内定を獲得した背景には、留学で培ったコミュニケーション力があったと語る。
半年のロサンゼルス留学で学んだ「語学力以上に大切な力」とは
今回は、複数の航空会社から内定を得た私の実体験をもとに、CAを目指す人にとっての「留学」がどんな意味を持つのかをお伝えしようと思います。大学2年次、私はアメリカ・ロサンゼルスにある提携大学へ半年間の留学を経験しました。きっかけは「環境を変えてみたい」「英語力を伸ばしたい」と思ったこと。行動してから考えるタイプの私は、悩むよりもまず飛び込んでみることを選びました。
同じ日本の大学からの学生とともに、ホームステイをしました。そのときのルームメイトは英語が非常に堪能で、臆することなく会話をしている姿を目の当たりにし、語学力の差に落ち込んだこともあります。しかし「せっかくアメリカに来たのだから」と腹をくくり、現地の人と積極的に会話し、耳を英語に慣れさせることを心がけました。次第に、何を言っているのか聞き取れるようになり、少しずつ自分の言葉で話せるようにもなりました。半年という限られた期間でしたが、「話せなくても、まず聞く。そして話してみる」その姿勢を大切にすることで、英語でのコミュニケーションに対する苦手意識は徐々に自信へと変わっていきました。
ロサンゼルスの街には、世界中から夢を追う若者たちが集まってきます。ハリウッド近くのカフェにときどき通っていましたが、そこにはアルバイトをしながらアクティングスクールに通っている俳優志望の人たちやプロのミュージシャンを目指す人など、夢を追って頑張っている人がたくさんいました。彼らの話に耳を傾けるたび、「自分も夢に向かって頑張ろう」と奮い立たされました。この留学で印象的だったのは、人との支え合いの大切さに気づけたことです。留学生同士、励まし合い、学び合いながら、互いに留学生活を乗り越えました。文化も価値観も異なる地で、自分を奮い立たせてくれたのは「人の存在」でした。留学は語学力だけでなく、人との関わり方や自分を信じる力を鍛えてくれる時間だったと思います。この時間は、夢だったCAを目指す際にも大きな力になりました。
スクール・特訓なし。それでもCA内定をつかんだ就活術
就職活動を本格的に始めたのは、大学3年生の夏。航空業界が第一志望でしたが、当初は金融やホテルなども検討していました。しかしいろいろな業種を見たことで、「やっぱりCAになりたい」という気持ちが強まりました。その想いが決定的になったのは、ある航空会社のインターンシップへの参加です。実際に働くCAの方々と交流する機会があり、「この人たちと一緒に働きたい」と素直に思えたことが、私の第一志望を固めました。社風や雰囲気にも惹かれ、それ以降はその航空会社からの内定を獲得することを目標に就活を進めていきました。
私の場合、いわゆるCA就活の「王道ルート」とは少し違ったやり方で就活をしていました。たとえば、エアラインスクールには通っていません。もちろんスクールで学べることは多いと思います。しかし、スクールに通っていない志望者でも、内定を得ている人はたくさんいました。
面接対策も、特別な練習を重ねたわけではありません。私は「本番の空気に慣れることが何よりの練習」と考えていたので、航空会社に限らず、他業界の面接も積極的に受けることで“場数”を踏みました。もちろん、面接では思い通りにいかないこともあり、「あのときこう言えばよかったな…」と反省することもたびたびありました。しかし、その一つひとつの実践が、結果的に本命での面接での強さにつながったように思います。
ESは、会社ごとのカラーを意識して、細かい言葉選びにもこだわりました。たとえば、企業HPや説明会でよく出てくるキーワードを丁寧に汲み取り、文章の中に自然な形で取り入れるよう工夫しました。「このESは、社名を書かなくてもどの会社かわかる」――そんな状態を目指して、地道に書き上げていきました。
就活中に心が折れそうになったこともあります。応募者が非常に多い業界だからこそ、「自分は本当に選ばれるのだろうか」と不安になりました。支えになったのが、同じ大学でCAを目指していた友人です。ESの提出期限を共有し合ったり、「一緒に絶対受かろうね」と励まし合ったりと、孤独になりがちな就活の中で、彼女の存在は心強いものでした。
結果的に、複数の航空会社から内定をいただくことができました。インターンシップで「ここしかない」と感じた第一志望の航空会社からも内定をいただき、本当に嬉しかったです。「スクールに通っていない」「特別な練習をしていない」ということは、決して不利にはなりませんでした。自分なりの方法でしっかりと“準備”と“行動”を積み重ねることが大切だと思います。
「この人がいるから、また乗りたい」そう思ってもらえる存在に
現在は研修中で実際のフライト業務にはまだ就いていませんが、「CAとしての在り方」について少しずつ自分の中に輪郭を描き始めています。幼い頃から飛行機に乗る機会が多く、客室乗務員の姿にいつも憧れを抱いていました。子ども向けの職業体験テーマパークでも、CAの制服を着て、はしゃいでいたことを覚えています。そんな憧れが「現実の目標」に変わったのは、「留学」を通じて、人と関わることの楽しさや、多様な価値観に触れることの大切さを実感してからです。
CAという仕事は、単におもてなしをするだけでなく、多くの人と接する中で、その人に寄り添い、安心感を与える存在でもあると思います。私自身、ある時搭乗した航空会社で、驚くほどフレンドリーで温かい対応をしてくださったCAと出会い、「またこの航空会社の飛行機に乗りたい」と心から思ったことがありました。そうした体験が、自分の目指す姿として心に残っています。
私もいつか、「この人がいるから、また乗りたい」と思ってもらえるような存在になりたいと思っています。丁寧で心のこもった接客はもちろんのこと、日本の航空会社としての良さである気配りや礼節、安心感を、お客様に自然に伝えられるCAになりたいです。
第一志望の航空会社に入社し、とても良かったと感じているのは、インターンシップで実際に見た先輩社員の方々と同じように、職場の同期たちが本当に素敵な人たちであることです。誰かが困っていたら自然と手を差し伸べ、お互いの良いところを言葉にして伝え合う風土があり、「こういう人たちと働けるんだ」と思うと、それだけでモチベーションが高まります。
研修を経て、責任ある仕事を任される日が来ることに、緊張と楽しみが入り混じるような気持ちですが、これからも成長を続けながら、「人に寄り添うこと」を忘れずに歩んでいきたいと思います。
CAを目指すあなたへ、私が就活を通して感じたこと
■ エアラインスクールは必須ではない
私はスクールに通いませんでしたし、同じように通っていない友人も複数の航空会社から内定をもらっていました。もちろんスクールで得られる知識はたくさんあり有意義だと思います。しかし、自分なりに情報を集め、企業ごとの対策を工夫すれば、十分にチャンスはあります。もちろんエアラインスクールに通うこともとても良いと思いますが、通えなかったからといってCAになる夢を諦めないでください。
■ 面接では「自分らしい言葉」で話すことが大切
「正解を言おう」と意識するよりも、「この人と一緒に働きたい」と思ってもらえるような話し方を意識しました。緊張してもうまく話せなくても、自分の思いをまっすぐに伝えることが何より大事だと思います。
■ 取ってよかった資格:ファーストエイド・プロバイダー
日本赤十字社の応急処置プログラムに参加し、2日間でAEDの使い方やけが人への対応を学びました。面接でも「とても良い資格ですね」と言っていただき、自信につながりました。誰かの役に立ちたいという気持ちを形にし、面接でのアピールになったと思います。この資格以外にも、将来CAとして役に立つ資格がたくさんあります。余裕のある方は資格を事前に取得しても良いかもしれません。
■ 留学は“就活対策”ではなく、“人と関わる力”を育む貴重な時間
CA志望の仲間には、留学経験者が多くいました。しかし私にとって留学は、就活のためというよりも、人との関わり方や、自分を信じる力を育てる時間でした。異なる文化の中で生活し、相手を尊重する姿勢や、柔軟に考える力の大切さを実感しました。語学以上に、そうした姿勢こそがCAを目指すうえで役立ったと思います。




