グローバル就職のための
お役立ちコラム
外資系コンサルに就職するため、戦略的に取り組んだこと
入社後のキャリアを見据えて行動することが大切!
外資系コンサルに就職するため、
戦略的に取り組んだこと
入社後のキャリアを見据えて
行動することが大切!

外資系
コンサルティングファーム出身
日本在住 S.M.さん
小学6年生から3年間上海で過ごし、大学在籍中は外国人留学生と交流を深めたほか、海外の大学で研究発表を行う。海外の学生との交流を通じて、コンサルティングファームへの就職を志望するように。大学卒業後、外資系コンサルティングファームで経験を積み、現在は事業会社の役員を務める。
外国人留学生と交流を深め、
海外に視野を広げた学生時代
卒業後のキャリアは、過去に何を学び、何を経験し、そしてどのような人と関わってきたかによって、大きく変わるように思います。私は大学で憲法を専門とする先生と出会い、ゼミに入ってさまざまな人と交流を深めたことで、現在のキャリアに至る価値観を築くことができました。
私が所属していたゼミの先生が海外大学出身だったこともあり、外国人留学生が数多く在籍しており、海外の大学で研究発表をする機会もありました。ゼミの外国人留学生や現地の学生は早い段階から卒業後のキャリアについて真剣に考えていました。私は、彼らと将来について話すたびにたくさんの刺激をもらいました。そして、投資銀行やコンサルティングファームが私の所属していたゼミ出身者のメジャーな就職先であることを知り、チャレンジしてみたいと思うようになりました。
私は小学校6年生から中学までの3年間上海に住んでいました。日本人学校に通っていたこともあり、英語力はそれほど高くありませんでしたが、投資銀行やコンサルティングファームでは一定の語学力が求められます。そこで私は就職活動を視野に入れて、面接や就職後に仕事で求められるレベルに追いつくため語学力を磨きました。
とは言っても、特別なことをしたわけではありません。当時の私がやっていたのは、友人とのチャットのやりとりをすべて英語で行うこと。英語で書いた書類をネイティブの友だちに添削してもらうこと。そして、オンライン英会話を利用して英語面接の練習をしたこと。すべて日常生活の中でできることです。
就職活動が本格化すると、さまざまな企業の面接を受けるようになり、実践の場で英語力が磨かれていきました。「ビジネスの場では、こういう表現を使うのか」と多くの気づきがあり、面接で学んだビジネス英語をその後の面接で活かすようになりました。
インターンシップは自己分析、業界研究や企業研究に役立つ!
投資銀行やコンサルティングファーム、商社や省庁など、さまざまなインターンシップに参加しました。すると、会社によって仕事のスタイルやキャリアパスが大きく違うことに気づきました。インターンシップに参加した日本の企業は仲間を大切にし、長く同じチームで仕事に取り組んでいました。一方、外資系の企業は自分でどのチームに入りたいか選ぶことができ、入社後も違う道に進みたいと思ったらすぐに方向転換することができます。このような違いをインターンシップで知ったおかげで、自分に何が合うかを見極めることができました。
企業選びのポイントとして、「チャレンジでき、成長できそうな環境か」「様々なバックグラウンドを持つ人と一緒に働けるか」などを重視しました。また、古い体制よりも新しいことに取り組んでいる企業に惹かれましたし、海外で働くチャンスがある企業で働きたいとも思っていたため、就職活動では原点に立ち返り、志望企業を投資銀行とコンサルティングファームに絞りました。内定獲得のために実際の選考では、「英語ができるのは当たり前」という前提で、海外の大学で研究発表をした経験や、上海時代に習得した中国語のスキルなど、プラスアルファの強みをアピールしました。
こうして振り返ってみると、私の就職活動はある意味泥臭かったかもしれません。いわゆる就活サークルには入っていませんでしたし、就活のノウハウもよくわからず、試行錯誤しながら取り組んでいたからです。それでも、志望していた外資系のコンサルティングファームから内定をいただくことができました。インターンシップでお会いした社員の方が、「私たちと一緒に働こう」と声をかけてくれたのです。
一般的に、外資系の企業は日本企業のようなメンバーシップ型の雇用はせず、部門ごとに採用するジョブ型の雇用をします。そのため、インターンシップに参加した学生に対しても、各部門が適性を見極めたうえで、選考に進める部署を提示することが多いです。インターンシップでお会いした社員の方は、私を見て「適性がある」と判断してくれていました。それは私にとって、何よりも嬉しいことでした。
コンサルティングファームに向いているのは、
好奇心旺盛で成長意欲がある人
入社後は、M&Aのアドバイザリー業務に携わりました。プロジェクトが立ち上がるたびにそれぞれのチームにアサインされるため、毎回、一緒に働くメンバーが異なります。私以外は全員外国人という編成で取り組むこともあり、当たり前のように共通言語である英語で業務を進めました。こうした環境で仕事をすることで、英語力も自然と磨かれていきました。
入社3年目に、オランダで海外駐在を経験しました。1日に4~5件のミーティングがあり、そのたびに、英語でファシリテートしながらミーティングを進め、報告書を提出しました。海外駐在ではすべてのプロセスを英語で進めていくため、さらに英語力が高まったと思います。プライベートでも日本語を使わないよう心がけました。
とても充実した日々を過ごしていましたが、国民性の違いを感じることもありました。オランダの人々は各人のワークライフバランスを尊重し、「やらなくて良い事」に対する線引きをしっかり行う印象を持ちました。一方で、日本企業では、たとえ無駄になる可能性があっても資料作成などの事前準備をする事を厭わないような部分があり、そのような違いは非常に興味深く、また自分の仕事への考え方に大きく影響を与えました。駐在中はこのような違いを何度も感じたものの、だからといって「大変だな」という思いはありませんでした。むしろ、「こういう国民性もあるんだ」と興味深く受け止めましたし、良い意味でオランダの国民性に影響を受けました。
コンサルティングファームの仕事は、さまざまな企業の経営課題やニーズと向き合い、課題解決のサポートをすることにあります。私が携わっていたM&Aアドバイザリーであれば、「買収・売却」や「合併」といったニーズを成功させることが最大のミッションです。規模にもよりますが、プロジェクトは数か月単位で進めることが多く、プロジェクトが立ち上がるたびに新たな情報を入手し、クライアントや買収先企業に対する理解を深めていきます。また、プロジェクトを進めていくと、予想外のことが起こることも珍しくありません。そのため、ルーティンワークが好きな人よりも、好奇心旺盛で新しい環境にも前向きに取り組める人、成長意欲のある方が向いていると思います。
コンサルティングファームを目指す皆さんへ3つのアドバイス
現在はコンサルティングファームを離れ、役員として事業会社の経営に携わっています。事業会社には私のようにコンサルティングファーム出身の役員もいれば、起業家出身や事業会社出身の役員もいます。引き続き、さまざまなバックグラウンドの人たちとグローバルな環境で働きながら、会社の経営に携わりたいと考えています。
コンサルティングファームへの就職を目指している学生の皆さんへ、一人の経験者として3つのアドバイスをお伝えします。
■就職活動のアドバイス①
――拠点とキャリアパスについて
1つ目は、志望企業の選び方に関して。
まずは、「コンサルティングサービスで働く」「グローバルな仕事に就く」などの方向性を決めたら、働き方に関して解像度を上げていきましょう。インターンに参加する、先輩社員を見つけて話を聞くなど手段はいくつもあります。特に、「この国で働きたい」といった明確な思いがある方は、気になる企業がどこに拠点を設けているか、そこで何の事業をしているか確認しましょう。駐在したい国で、希望する職務内容がなければ、選択肢から外すのも一つの手です。
また、海外駐在を実現するまでのタイムラインも確認しましょう。企業によっては、「国内で7~8年経験を積むこと」が海外駐在の条件になっているところもあります。私は就職活動中、入社したコンサルティングファームから「語学力があれば、1年目から海外へ行けますよ」と言われました。この言葉も、この会社へ入社したいと思った一つのきっかけになりました。
じっくり経験を積んでから海外に行きたい方もいれば、1日も早くチャンスを掴んで海外駐在したいという方もいることでしょう。自分の希望とマッチするキャリアパスがあるか、必ず確認しましょう。
■就職活動のアドバイス②
――事前に身につけておきたいスキルと知識
2つ目のアドバイスは、備えておくべきスキルと知識です。
コンサルティングファームで必ず求められるのが、ロジカルシンキングとExcelなどのPCスキルです。これらは知っているか、知らないかだけの話なので、早めにスキルを習得しておくことをおすすめします。
そして、ビジネスに関連する新聞記事を読む習慣を身につけておくことも大切です。仕事では幅広い業界のクライアントと向き合うため、社会に対して広くアンテナを張り、情報を収集する必要があるからです。まずは毎日、新聞やニュースなどに目を通すことから始めると、最初のトレーニングとして役立つと思います。
■就職活動のアドバイス③
――頭で考えるよりも、積極的に情報を取りに行く!
最後のアドバイスは、後悔しない選択をするためにやってほしいことです。
学生から見る会社と、社会人になってから見る会社は、見え方が全然違います。まだ社会に出ていないからこそ、気付けないことがたくさんあります。
そこで、志望する企業の社員の方と話す機会を持つと良いでしょう。これまで抱いていたイメージと違うことを聞かされて、驚くこともあるかもしれません。でも、だからこそ「会社が社員に何を求めているか」をより正確に知ることができます。イメージのギャップを受け入れたうえで、「やっぱりこの会社に入りたい」と思えるかどうかを決めることができます。社員の方との対話が、皆さんの意思決定にきっと役に立つはずです。
皆さんの就職活動がうまくいくよう、応援しています!